「ハ」から始まる植物
ハクチョウゲ
名前は春から初夏にかけて丁字咲きの白い小花が株を被うように咲く姿から名づけられました。全体に小形で、花も葉も小さく、細い枝が地際から多数分岐して株立ち状となるので、庭園や建物周りなどの縁取りや低い生垣用の樹木として古くから利用されてきました。花の蜜が多いことから、開花期にはモンシロチョウなどが群れ飛ぶ姿を楽しむことができます。ハクモクレン
紫色の花をつけるシモクレン(紫木蓮 モクレン)に対し、白い花をつけることからハクモクレン(白木蓮)の名前があります。葉に先立って白い大きな花を樹冠いっぱいにつけた姿が見所です。桜よりやや早く開花し良く目立ちますが、遅霜など寒さで花が傷みやすいので、寒冷地などでは植栽場所に注意が必要です。シモクレンなどとの間で品種改良がおこなわれ、ニシキモクレンなど多くの園芸品種が作られています。ハコネウツギ
地際からよく分岐してたくさんの幹枝を叢生し、長く緩やかに垂れたボリュームのある枝枝に、咲き始めは白花で、続いてピンク色となり、最後は赤く変わる三つの色の花が入り混じって樹冠を被う姿が一番の見どころです。生長が早く、萌芽力があり、耐潮性が大きい性質などから、臨海部や荒れ地などの初期緑化や公園・緑地などに利用します。ハゼノキ
実から和ろうそくの原料となる蝋(ロウ)を採取するために、古くから栽培してきました。九州などでは並木状に植栽され、古木となった趣のある姿を見ることも多くあります。また、秋の紅葉が見事なことでも知られ、カエデ類とは違った紅葉の名所として、美しい姿が親しまれています。ハナイカダ
丘陵から山地にかけての雑木林のやや湿った林内などに多く見られる株立ち状の低木で、2mほどになります。花は春に咲き、葉の主脈の中ほどに淡緑色のあまり目立たない小さな花を1~数花つけます。葉に花がついたようすを筏に見立てて『花筏』の名前がつきました。雌雄異株で雌木には、夏に黒紫色の実が熟します。若い葉は食べられます。ハナズオウ
春の盛りに、紅紫色のかわいい花を枝の所々に群生して咲かせる姿が一番の見どころです。葉に先立って花をつけるのでよく目立ちます。中国から300年以上前に渡来したといわれ、個人庭園をはじめ公園や緑地に植えられてよく親しまれてきました。近年は白花の品種やアメリカハナズオウの葉色の変わった品種なども見られます。ハナノキ
紅・黄葉が一番の見どころのカエデの仲間にあって、春に開花する花は真っ赤な糸状で、枝先にたくさん吊り下げた姿が特に美しいことから、『花の木』と呼ばれる高木性のカエデです。長野県・岐阜県・愛知県の限られた地域に自生しています。なお、秋に真っ赤に紅葉にする葉も美しく、観賞価値も高いことで知られています。よく似た種類に北米原産のベニカエデ(別名アメリカハナノキ)があり、園芸品種も生産されていて、街路樹や公園・緑地などに利用されています。ハナミズキ
端正な樹形と花や実、紅葉が魅力です。4~5月ごろ葉に先立って4枚の白い総苞のついた花を咲かせ、秋には赤く熟した実と美しい紅葉を楽しむことができます。明治時代に東京市が贈った桜の返礼としてアメリカから贈られた樹です。ハナモモ
果実を収穫するモモに対し、美しい花を楽しむ品種をハナモモと総称します。中国から渡来した樹木で、品種の多くは江戸時代に作出されたといわれています。春の華やかさを演出する花木としてよく用いられます。- 1
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