ムクゲ ハイビスカスに似た花を6月から10月まで長く咲き続けます。花は一日花ですが、花色や花型が豊富で、新梢の葉腋によく目立つ大きな花をつけ、樹冠が花で覆われたような姿が一番の魅力です。剪定に耐え萌芽力も強いので、生垣や寄せ植えなどに利用しますが、単木に仕立てても美しい花姿が楽しめます。原産地は中国で、韓国では国民花となっています。
ムクノキ 里山の荒れ地や雑木林の林縁などに見られ、樹高20mほどになる落葉高木です。秋に黒紫色に熟す実は、甘く干し柿に似た味がします。名前は葉の裏がざらざらしていて、ものを磨くのに利用していたことから「磨くの木」の転訛したものと言われています。
ムクロジ あめ色に熟した2~3cmほどの実が鈴なりになった姿や、秋のやや赤みを帯びた美しい黄葉などが魅力の落葉広葉樹です。果皮はサポニンを含み、水に浸けるとよく泡立つことから、昔から石鹸の代わりに洗濯や洗髪などに利用し、親しまれてきました。種子は黒く1㎝ほどの丸い形で、堅く、羽根つきの球や数珠に使います。歴史のある古い公園や、神社仏閣の境内や周囲の社寺林などに植えられていることが多く、自然分布は本州中部以西ですが、関東地方など、より北の地域でも見ることができます。
ムラサキシキブ 秋に熟す紫色の小さい実が優美なことから、その姿を平安時代の女流作家の『紫式部』の名前を借りて美化したものといわれています。丘陵から山地にかけての雑木林の林内や林縁などに多く見られる落葉低木です。実の美しさはもとより、初夏に咲く花も紫色を帯び、華やかさはありませんが趣があります。雑木植栽の秋の彩りとして、樹間に挟んで利用します。