「エ」から始まる植物

エゴノキ
細い枝先まで、シャンデリアに例えられる白いかわいい花を、無数に吊り下げた姿が一番の見どころです。雑木林の主要構成樹種の一つで、初夏の雑木林の爽やかな主役です。雑木植栽のほか、テラスやデッキに添えて植えると、初夏に美しい花を楽しめるばかりでなく、夏の緑陰としても効果的です。果皮には有毒成分(サポニン)を含み、かじるとえごい(えがらっぽい)ことから名づけられました。近年は紅花品種の‘ピンク チャイム’や枝垂性のシダレエゴノキなどの生産が増えて、ガーデニングの材料として人気です。
エドヒガン
本州以南の山地に自生するサクラで、江戸(東京)で多く栽培されていたことと、春の彼岸ごろにほかのサクラに先駆けて花開くことから名づけられました。大きく育ち直径1mにもなります。シダレザクラの母種で、その他にもいろいろな交雑種の片親となっていて、ソメイヨシノが有名です。花は一重のやや小輪で、直径1.5~2cmほどで、淡いピンクのかわいい花です。 (参考資料:『新日本の桜』山と渓谷社)
エノキ
古くは一里塚に植えられた樹として知られています。高さに比べて枝張りが大きく育つので、広い空間での利用に向いています。秋に熟す実は、少し甘みがあり食べることができますが、小鳥たちの餌として、葉は国蝶のオオムラサキの食草として知られています。
エビネ
平地から低山帯の樹林下に生える地生ランの一つで、ほかのエビネ類と区別するために地エビネなどと呼ばれることがあります。名前は『海老根』で、葉の生える球茎(偽球茎)の連なった姿を海老に見立てて名づけられました。春に葉と共に短い花茎を伸ばし、10花前後の美しい花をまばらにつけ、和の雰囲気を醸し出すため人気があり、鉢植えや庭植えなどに利用します。野生種は環境省RDBでは準絶滅危惧種に指定されています。