アスコットの樹名札

緑の名札屋さん

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「」から始まる植物

エビネ

平地から低山帯の樹林下に生える地生ランの一つで、ほかのエビネ類と区別するために地エビネなどと呼ばれることがあります。名前は『海老根』で、葉の生える球茎(偽球茎)の連なった姿を海老に見立てて名づけられました。春に葉と共に短い花茎を伸ばし、10花前後の美しい花をまばらにつけ、和の雰囲気を醸し出すため人気があり、鉢植えや庭植えなどに利用します。野生種は環境省RDBでは準絶滅危惧種に指定されています。

エンジュ

中国原産の落葉高木で、奇数羽状複葉の小葉は小振りで日差しを適度に透すので、明るい緑陰が楽しめます。学問の樹として知られていますが、一般的には街路樹として用いられ、公園や緑地、工場緑化などでの利用も効果的です。材は堅く光沢があって美しいので、建築材や家具材、細工物などに利用します。薬木としても知られ、蕾は漢方で槐花といい、止血や消炎に用います。

オオシマザクラ

伊豆諸島や伊豆半島南部に自生する大型のサクラで、特に伊豆諸島の大島に多く見られることから名づけられました。白い花と明るい緑色の新葉が同時に開き、さわやかな雰囲気が楽しめます。多くのサトザクラの母種として知られ、ソメイヨシノの片方の親としても知られています。葉はクマリン配糖体を含み、塩漬けされた葉を桜餅を包むのに利用します。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)

オオバショウマ

夏から秋にかけて、叢生する葉の間から細い花茎を伸ばし、細長い穂状に白い小さな花をたくさんつけます。花は萼や花弁は小さく早落性で目立ちませんが、たくさんの雄しべがよく目立ち、細長いボトルブラシのような独特な姿となり、人目を引きます。本州から九州の山地の落葉樹林内や草原などに生えます。名前は升麻と呼ばれるサラシナショウマと同じ仲間で花がよく似ていて、5~9裂した大きな葉が数枚低い位置に生え、ボリュームがありよく目立つことから、葉が大きい意味で名づけられました。

オオヤマザクラ

ヤマザクラの自生しない、主に山地や関東以北の冷涼な地域などに多くみられるサクラで、花は一重の中輪で、直径3.2~4cmほどで、ヤマザクラに比べ葉や花が大きいことから名づけられました。北海道や東北地方には普通に見られることからエゾヤマザクラの、花の色が濃い紅色であることからベニヤマザクラの別名があります。秋田県の有名な樺細工に用いられるサクラの樹皮は、本種の樹皮を使います。冬芽の鱗片葉が粘る特徴があります。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)