
「」から始まる植物


イヌブナ
ブナに比べて材質が劣るため、役に立たないものの例えで使われる『いぬ』の文字をつけて呼ぶようになったといわれています。ブナに比べて葉が薄く、幹が黒みを帯びるなど、魅力にやや欠けるので造園樹木として用いることはあまりありません。落葉高木で大木になりますが、地際からひこばえが生えるので、株立ち状になる特性があります。
イヌマキ
日本庭園に利用される代表的な主木の一つで、マツの代わりに利用されることもあります。濃緑色の細い葉が密生し、耐潮性や耐風性が大きいことから、臨海部の防潮、防風植栽として生垣や高垣などに、また、比較的自由に刈り込んで仕立てられる特性を利用して、動物などの姿に仕立てるトピアリーなどにも利用します。秋に熟す実の果床は赤く熟し、甘く食べられます。
イペー
中南米原産の落葉高木。木材のイペ材として知られますが、一般的にイペーと呼ばれるのはハンドロアンサス属(タブベイア属)に属するキバナノウゼンやコガネノウゼン、グアヤカン、モモイロイペーなど多種にわたります。ハンドロアンサス属(タブベイア属)は南米を中心に約100種類知られています。代表的なコガネノウゼンはブラジルの国花で全面を覆う黄色の花が特徴です。
イロハモミジ
カエデの仲間では最も知られた種類で、モミジと言えば本種を指すほどです。美しい紅葉の代表格で、寒暖の差が大きいと、より深い紅葉を楽しめます。葉は手のひらのように深く5~9裂します。和名はこの裂片をいろはにほへと……と数えたことに由来します。
イワガラミ
落葉性のつる性木本で、生長が旺盛でよく広がり、長く伸びる蔓から短い枝(短枝)を空中に伸ばし、6~7月ごろ香りのよい白花をつけます。花つきがよいのでよく目立ちます。ツルアジサイによく似ていますが、装飾花の額片がツルアジサイは4枚で本種は1枚なので、花があれば容易に区別できます。名前は山地の落葉樹林の林縁などに多く生え、岩に絡むように着生することから名づけられましたが、樹木の幹にもよく着生します。
ウグイスカグラ
早春に咲く花や初夏に熟す実に野趣があり、雑木植栽など自然風な植栽の彩りの一つとして用いると効果的です。落葉低木であまり大きくならず、子供たちの手の届く高さに実が生るので、下垂して赤く熟しほんのり甘味のある実は、かつて子供たちはグミと呼んで食べました。野鳥の食餌樹木としても利用します。ウスズミザクラ
ウスズミ系と呼ばれる白色一重の桜です。古い品種が多く植えられていたことで有名な荒川堤に植えられていた桜の一つで、花は直径4.5cmほどで花弁の先には不規則で細かい切れ込みが多くあります。花柄と小花柄には白い開出毛があり、萼筒は太く、苞葉は緑色で大きい特徴があります。(参考資料:『新日本の桜』山と渓谷社)
ウバメガシ
暖地の海岸林に多く見られるやや小型のカシで、生長が遅く材が緻密で堅いことから、備長炭の材料として知られています。小さ目の葉が密につき、萌芽力が強いことから、生垣などの刈り込みや仕立物などに多く用いられます。常緑の葉は楕円形で、新葉は光沢があり黄色や赤味を帯びて美しく楽しめます。ドングリ(堅果)は2cmほどの楕円形で、翌年の秋に成熟します。