アスコットの樹名札

緑の名札屋さん

TEL.045-222-0215

「」から始まる植物

マメザクラ‘湖上の舞’

富士山の吉田口登山道の沿線で赤池静夫氏により発見された小形のサクラです。ほかのサクラに比べ葉も花も小さいマメザクラの品種で、生長が遅く、枝がジグザクに伸びることから盃状の独特な姿となります。花は淡紅色の一重咲き、小輪でかわいい花が葉に先立って1~3輪垂れ下がって開きます。挿し木で増やすことも容易で、鉢植でも花が楽しめるので、盆栽などにも仕立てます。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)

マルメロ

中央アジア原産の果樹で、カリン同様香りのよい黄色い果実が楽しめます。果実はカリンに似ていますがやや小さい洋ナシ形で、淡褐色の綿毛をまとっているので区別は容易で、ジャムや果実酒などに利用します。生食には向きません。樹形も小形で、花は白から淡紅色で、カリンに比べて大きく美しいので庭木にも向いています。中国を経て寛永11年(1634年)に渡来したと言われ、日本では長野県諏訪地方が産地として知られています。

マンリョウ

晩秋から冬の間、6〜8mmの赤い実を長く保つのが一番の特徴です。名前の万両(まんりょう)は、千両(センリョウ科)より実が美しいからついたとされます。実は野鳥の餌になります。夏には枝先に白い小花をつけ、葉は光沢が濃緑色です。縁起木として、正月の飾りなどに用いられ、江戸時代には園芸植物として流行しました。明治時代の『硃砂根銘鑑』には53品種が掲載されています。また、白い実をつけるシロミノマンリョウ(Ardisia crenata Sims f. leucocarpa)もあります。

ミズキ

丘陵から山地にかけての雑木林などのやや湿った林内に多く見られる落葉樹で、枝は仮軸分岐で横に広がって伸び、独特な姿で美しく、外国ではパラソルツリーと呼ばれ、緑陰樹として使います。花は5~6月ごろで、細く白い4弁の花を密につけ、平たい花穂となり、遠くからでもよく目立ちます。実は紫黒色に熟し、鳥に食べられて分布を広げる代表的な鳥散布植物の一つです。材は白く美しいのでこけしやこまの材料となり、枝は小正月のどんど焼きの時に団子を刺して焼くのに使います。名前は早春に幹に傷をつけると、樹液が水のように流れ出るようすから『水木』と名づけられました。

ミズナラ

標高の高い山地帯に発達するブナ林の主要構成樹種の一つで、野性味のある樹形が魅力です。北関東以北の冷涼地や寒冷地での利用に適し、温暖地では夏の高温乾燥で生育は衰えます。葉はコナラに比べると大きく鋸歯も粗く目立ちます。秋には比較的美しく黄・紅葉します。材は木目が美しいので高級家具材として、また薪炭材としても利用します。ドングリ(堅果)は2~3cmほどの長楕円形で、その年の秋に成熟します。