ヒメシャガ アヤメの仲間で最も小型の種類の一つで、シャガの花に似た淡紫色の花をつけ、小形で可愛いことから姫の名前がつきました。冷涼な湿った傾斜地などの半日陰に自生することから、夏の高温乾燥する都会での利用は短命に終わることが多いので注意が必要です。ロックガーデンや庭園の滝口や流れ沿いの石組みの間、水際などでの利用に向いています。
ヒメシャラ 葉や枝ぶりなど樹姿全体に和の趣が感じられる木で、若葉のなかに咲かせる白い花も美しく秋には紅葉します。葉と花はナツツバキよりも少し小さめですが、樹高は高めに生長します。幹が赤褐色で、表皮が剥がれた跡がサルスベリの木のようなまだら模様になっています。木材としては床柱や彫刻に用いられ、花は茶花として重宝されています。
ヒメシャリンバイ 庭木として人気があり、5〜6月、枝先に白い花をつけます。シャリンバイ(車輪梅)という名前は、枝が車輪状に出て、花が梅に似ているということによります。ヒメシャリンバイの「ヒメ」は、普通のシャリンバイより葉が小形であることを指します。生長はやや遅く、強健で、環境圧にも強いのが特長です。生垣などにもよく利用されます。
ヒメヒオウギズイセン 初夏から夏にかけて、朱赤色の花を花穂に次から次へとつけて長く楽しめます。明治の中期ごろ渡来し、花壇植物として利用されてきましたが、地下茎を長く伸ばして球根(球茎)をつくり、丈夫でよく増えるので逸出して雑草化することがあります。暖地では常緑ですが、強い降霜では葉が傷み、落葉扱いとなります。モントブレチアの名前でよく知られています。
ヒメユズリハ ユズリハに比べ葉が小さく青みを帯び、葉が垂れないので、さわやかな雰囲気が楽しめることから人気があり、樹形も端正なので公園や庭園のシンボルツリーとして利用します。本来は海岸の常緑広葉樹林などの構成種であり、耐潮性が強く臨海部の植栽にも利用できる特性があります。
ヒュウガミズキ 早春を彩る代表的な黄色の花として、レンギョウなどとともに人気のある低木です。花は葉に先立って咲き、淡い色の小さな花が枝いっぱいに咲き、目を引きます。葉は広い卵形で可愛く、春の赤みを帯びた新葉や秋の黄葉も趣があり、樹形も小ぶりで狭い庭園でも楽しめます。
ピラカンサ バラ科の常緑低木で、冬によく目立つ実をつけます。実の色には朱赤、橙、黄色などがあり、光沢のある球状。ツグミなどが実を食べにやってきます。庭木や生垣などに用いられ、冬期を彩る樹木として貴重です。一般にピラカンサと呼ばれるものは、タチバナモドキ、トキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシなどの総称です。
ヒラドツツジ 古くから主に長崎県平戸市周辺で栽培されてきたことから名づけられたツツジで、沖縄産のケラマツツジやモチツツジ、キシツツジなどが武家屋敷などの庭園で、自然交雑や実生が繰り返されてできた大型の品種群です。花色や花型の変異が多く、花つきがよく豪華で華やかな花が特徴です。強健で厳しい都市環境にも耐えるので、庭園や公園・緑地、街路樹の植桝などによく使います。
ビワ 初夏の味覚として親しまれている果樹の一つで、奈良時代のころに中国から渡来し、果実の形が楽器の琵琶に似ていることから名前がついたともいわれています。普通果樹として栽培していますが、単木で植栽すると半球形の美しい樹形が楽しめることなどから、シンボルツリーとして利用することもあります。果実を生食するほか葉を薬用に利用する薬木としても知られ、材は堅く装飾用の建材や杖・木刀などに利用します。
ブーゲンビレア ブラジル原産の熱帯植物で、一般的には温室植物とされ周年開花しますが、5℃くらいの気温まで耐えられることから、無霜地帯など冬暖かい場所では地植えも可能です。温度や環境によって異なりますが、おおむね春と秋に開花します。なお、花弁のように見える部分は苞が発達したもので、赤紫系の品種が多く見られます。枝はつる状で長く伸び、刺状の小枝を絡ませて登攀します。