ヒサカキ 本サカキとも呼ばれるサカキに比べ、花や葉が小さいことから姫サカキの意味から名前がついたといわれています。関東以西の暖地に多いサカキに代わって、関東ではヒサカキの枝葉を神事に使います。花は春に開き、ハマヒサカキ同様特有のにおいを発します。
ヒゼンマユミ 九州や沖縄などの沿海地の常緑広葉樹林の林内に生え、ニシキギの仲間では珍しく、マサキなどと共に数少ない常緑の樹木です。葉は厚く濃緑色で光沢があり、存在感があります。晩秋にマユミに似た淡い黄褐色の実をつけ、熟すと割れて橙色の仮種皮に覆われた種子が顔を出します。
ヒトツバカエデ 本州北部から紀伊半島の山地に自生するカエデの仲間です。直立した幹は5〜10mほどになり、カエデの仲間とは思えない丸く大きな葉をつけます。5〜6月に穂状の小さな花をつけ、8〜10月ごろに翼果が熟します。秋には黄葉がよく目立ちます。
ヒトツバタゴ 5~6月に細い白色の花弁の小花が樹冠を覆うように密についた姿が一番の魅力で、繊細な美しさがあります。名前は同じモクセイ科のトネリコに似ていて葉が単葉なので、一ッ葉のトネリコという意味ですが、珍しい樹で見る機会が少ないので名前がわからないことから、ナンジャモンジャノキとも呼ばれます。
ビナンカズラ(サネカズラ) かつて樹皮から採取した粘液を整髪に用いたことから、『美男葛(びなんかずら)』の別名で知られた常緑の蔓性樹木です。花は夏に咲き、実は11月ごろに熟します。真っ赤に熟した実は鹿の子餅を思わせ、実(さね)が良く目立つ蔓(かずら)という意味で名づけられたといわれています。雌雄異株なので、実を楽しむには雌木を植える必要があります。フェンスや垣根、パーゴラやトレリスなどに絡ませて、美しい実を楽しみます。
ヒノキ 一般には、材を生産する林木としての利用が多く、樹高30mくらいになる常緑針葉樹です。材は緻密で耐久性に優れ、特有の香りと光沢があることなどから、高級な材木として有名です。造園では枝葉が密につくことから、景観樹として公園や庭園などに利用します。
ヒペリカム カリシナム 5~6月ごろに、黄色の花を咲かせる常緑低木です。花の中心には金色の花火を思わせる雄しべがあります。花の数はあまり多くありませんが、茎の先に一個ずつつく花は大きく目立ちます。欧米でも人気のある樹種で、広くグラウンドカバーに用いられます。花つきは悪くなりますが、植え込みの下草としても利用できます。
ヒペリカム‘ヒデコート’ 初夏から秋のはじまりまで、鮮やかな黄色の花を次々に咲かせる常緑低木です。長い期間花を楽しめるので、大面積への利用や、園路沿いなどによく植えられています。東北以北の寒い地方では、地上部が冬に枯れることがありますが、宿根性になり翌年も花を咲かせます。
ヒマラヤザクラ ネパールから中国西南部などの標高1300~2200mの丘陵地に生えるサクラで、寒さに弱いので東京以西の暖地向きです。花は一重の中輪で、直径3cmほどで、晩秋に葉が散る前頃から咲き始める珍しいサクラで、やや華やかさに欠けますが人目を引きます。種子繁殖のため花の色には白から濃紅まで個体差があります。近年の研究結果で、二酸化炭素や二酸化窒素を減らす効果がソメイヨシノの5倍もあるとして、注目を集めています。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
ヒマラヤスギ 手を入れなくてもきれいに整った広円錐形の樹形になり、枝は水平か下垂するので、公園や緑地などの芝生広場のシンボルツリーなど広い空間での利用に向いていますが、萌芽・復元性があり、刈り込みもできるので、高生垣やいろいろな仕立物などにも利用できます。黄金色や銀青色と葉色の美しい品種もあり、記念樹としても利用できます。