ドウダンツツジ 一番の魅力は秋の紅葉で、大刈込などに利用するとその美しさが際立ちます。また、春の新芽は明るい緑色で、同時に開花する花はスズランの花に似た白い小さなつぼ型で、枝先にたくさん垂れ下がって咲き、さわやかな美しさが楽しめます。刈り込みによって小枝を密に茂らせるので、和風洋風を問わず利用が可能です。
トウネズミモチ 葉はネズミモチより大きく、厚さは薄いですが密につくので濃い樹陰を作ります。名前は唐(中国)ネズミモチの意味で、中国原産の常緑高木です。生長が早く、樹高も高くなり、緑量の確保が容易なことから、これまで公園・緑地などで早期緑化樹としてよく使われてきたことや、種子がたくさんつき、鳥散布により河川敷などいたるところによく生えることなどから、温暖な生育可能地域では強い国内帰化(逸出)が指摘されており、環境省から要注意外来植物に指定されています。
トキワマンサク やや黄色味がかった白い細い花弁がたくさんついた、筆を思わせるような美しい花を咲かせます。開花期は主に春で、満開時の樹冠全体に花をつけた姿は見事です。剪定せずに放任すると高木になりますが、常緑の小さい葉が密につき、萌芽力があり強剪定にも耐えるので、生垣に多く用います。最近は花や葉が赤紫色の品種のアカバナトキワマンサクが人気です。
トサミズキ 2月下旬から3月中旬にかけて、葉に先立って明るい黄白色のかわいい花を吊り下げ、早春の庭を彩ります。レンギョウ類に比べて花色が淡く、柔らかな雰囲気が魅力です。古くから庭木や茶花として親しまれてきました。 四国の高知県(土佐)に自生するのでこの名前がつきました。
トチノキ 初夏に咲く白い小花のたくさん集まった大きな花穂と秋の紅黄葉、栗の実に似た光沢のある大きな実が見どころの落葉広葉樹です。葉は大きく天狗の団扇に例えられる掌状複葉で、日本の樹木の中では大きな葉の一つです。栗の実に似た種子は、秋に熟し、直径5mにもなり、山の動物の食料としてばかりでなく、縄文時代のころから重要な食料として、水にさらして苦みを取り除き、お粥やお餅などにして食べてきました。適地に植栽すれば端正で雄大な樹形になるので、芝生広場など広がりのある場所に植えて、シンボルツリーや緑陰樹として利用します。
トネリコ 野球のバットに利用する樹木として知られる落葉広葉樹です。本州中部以北の山地など冷涼な地域の湿地に生えることから、地下水位の高い公園や緑地に、また、田んぼの畔などに植えて稲を干す稲架木(はさぎ)としてもよく利用し、新潟県などでは秋の風物詩として親しまれています。近年よく利用されるアオダモやマルバアオダモを指して、トネリコと呼ぶことがありますが、属は同じですが種としては異なるので正しい名前で呼ぶことが求められます。
トベラ 暖地の海岸に自生することから、耐潮性や耐乾性が強く、厳しい都市環境にあっても良好に生育することから、海岸や公園・緑地、和風庭園などの刈り込みなどによく用います。花は春に咲き、咲き始めは白く、後に黄色く変わる小花で良い香りがします。半面、枝葉には悪臭があり、節分にこの枝を戸口にさして邪鬼を避ける習わしがあったことから、トビラノキと呼ばれ、それが変化してトベラとなったといわれています。
ナツグミ 春に花が開き、初夏に実が熟すことから夏グミと呼ばれます。やや細長い赤い実が、枝から垂れ下がって熟し、実は渋味がありますが甘みもあって生食できます。一般的には花壇の彩りとしてガーデニングなどに用いることが多いですが、庭園や建物周りの外構植栽などにも用います。
ナツツバキ 緑一色の初夏のころに、ツバキの花に似たやや大きめの白い花を樹冠一杯につけた姿が一番の魅力で、名前の由来ともなっています。一つ一つの花の寿命は短いですが花つきがよく、次から次へと1か月ほど咲き続けます。やや縦型の端正な樹形は和洋を問わず建物との相性がよく、雑木植栽や公園・緑地などでも広く利用します。
ナツハゼ 大きめの低木で、野性味のある樹形がポイント。秋の紅葉、黒褐色に熟す甘酸っぱい実も魅力です。夏にハゼノキのように紅葉することがその名の由来です。5~6月に赤~淡褐色のスズランのような花を咲かせます。果実は10~11月にかけて黒褐色に熟し、甘酸っぱく生食が可能。ジャムや果実酒に加工できる。