フウ(タイワンフウ) 葉がカエデの仲間と間違えるほどよく似ているモミジバフウは北米原産ですが、本種はタイワンフウとも呼ばれ中国や台湾原産で、葉は3裂です。落葉高木で、都会でも比較的美しく紅・黄葉します。公園・緑地や工場など広い敷地での緑化や、街路樹などに向いていて、景観樹や緑陰樹、シンボルツリーなどに利用します。なお、樹脂を乾燥したものを薬用に用いることが知られていて、中国では漢方薬に用います。
フジ 長い花房を無数に垂れ下げた姿が、古くから愛されてきました。『万葉集』にはフジを詠んだ歌が27首あります。全国各地に古木や大木があり、観光名所にもなっています。花には白、ピンク、淡紫、紫などの種類があり、甘い香りを放ちます。観賞用として植えられてきましたが、かつてはつるを縄の代用にしたり、籠や椅子などに用いました。
フシグロセンノウ センノウの仲間で、葉のついた節が暗赤色を帯び黒く見えることから名づけられました。本州から九州の山影や樹林下の沢筋などのやや薄暗い日陰地に生え、夏から秋にかけて、朱赤色のやや大きい五弁花を茎の先端とその付近に疎らにつけます。朱赤色というほかの野草にあまり無い色で、薄暗い背景でよく目立ちます。庭園や山野草として鉢植えなどに利用します。
ブッドレア 小さな筒状の花が、穂状にたくさん集まって花開く姿がフジに似ていることから、フサフジウツギの別名があります。花は香りが高く、花の蜜が多いことから蝶を呼ぶ花木として知られ、英名ではバタフライブッシュと呼ばれて、ガーデニングの材料として親しまれています。欧米で人気があり、古くから品種改良がおこなわれて、花色の変化した多くの品種があり、開花期が長く6月ごろから10月ごろまで長く楽しめます。
ブナ 日本の山地(冷温帯)の落葉樹林に自生する樹木で、ミズナラなどとともに主要な構成種の一つです。秋の紅葉は黄褐色で、華やかさはありませんが落ち着いた色で趣があります。厳しい都市環境での利用は困難で、北海道南部以南や東北での利用に向いています。実は小さく、クリに似た3稜形で、渋みが無いので炒って食べられます。
フユグミ ナワシログミとマルバグミ(オオバグミ)の自然交雑種といわれています。自然交雑種のため個体数が少なく、見ることはもとより、生産もされていない可能性が高いので、利用は困難です。形質にばらつきが見られることが予想され、両者の中間的な形質を示すということ以外に情報が無いので詳細は不明です。
プラタナス 高さ10m以上になる落葉高木で、街路樹として世界的に植えられています。スズカケノキとも呼ばれ、これは秋に垂れ下げるボール状の実を、山伏がの着る篠懸についている鈴掛にたとえたものです。日本には明治時代の初めに渡来し、東京の新宿御苑、小石川植物園に植えられました。一般的にプラタナスと呼ばれる植物は、スズカケノキ、モミジバスズカケノキ、アメリカスズカケノキの総称です。
ブルーベリー かわいい花を咲かせることや美しく紅葉することから庭木としても、家庭向きの小型果樹としても人気があります。野生種は北米からカナダに自生し、黒紫色の甘い果実は生食のほか、ジャムやお菓子などの材料として利用されてきました。
プルーン ‘サン プルーン’ セイヨウスモモの選抜品種で、長野県臼田町(現佐久市)で育成されました。果実はやや小ぶりですが、甘味は強く適度な酸味もあり、みずみずしく食味に優れていることから、生食向きの品種です。プルーンの品種としては最も生産量の多い品種で、長野県のほか北海道や青森県などの生産が知られています。
ヘアピンバンクシア オーストラリア原産の常緑の大型の低木です。花は丸みのある細長いブラシのような集合花で花期が長く、オレンジ色の小さな花がたくさん集まって独特な花容となります。松葉を想わせる細い葉も特徴的で、リーフプランツとしても周年楽しめることから、ガーデニングのシンボルツリーとしても存在感があります。