ヒイラギナンテン 台湾や中国が原産地の常緑低木です。葉は複葉で枝先にまとまってつき、ヒイラギに似て鋭い刺があります。鋭い刺のある葉を利用して人止めに、また、寄せ植えなどにも利用します。花は春に咲き、細長い花穂を枝先から吊り下げます。
ヒイラギモクセイ ギンモクセイとヒイラギの間に生まれた交雑種と言われています。花はキンモクセイの色を白くしたように見えます。香りは同じですがやや弱く、花つきはまばらです。葉の鋸歯が粗く、鋭いことが特徴です。雄木のみ知られていて、一般には生垣や目隠しなどに利用します。
ヒサカキ 本サカキとも呼ばれるサカキに比べ、花や葉が小さいことから姫サカキの意味から名前がついたといわれています。関東以西の暖地に多いサカキに代わって、関東ではヒサカキの枝葉を神事に使います。花は春に開き、ハマヒサカキ同様特有のにおいを発します。
ヒトツバタゴ 5~6月に細い白色の花弁の小花が樹冠を覆うように密についた姿が一番の魅力で、繊細な美しさがあります。名前は同じモクセイ科のトネリコに似ていて葉が単葉なので、一ッ葉のトネリコという意味ですが、珍しい樹で見る機会が少ないので名前がわからないことから、ナンジャモンジャノキとも呼ばれます。
ビナンカズラ(サネカズラ) かつて樹皮から採取した粘液を整髪に用いたことから、『美男葛(びなんかずら)』の別名で知られた常緑の蔓性樹木です。花は夏に咲き、実は11月ごろに熟します。真っ赤に熟した実は鹿の子餅を思わせ、実(さね)が良く目立つ蔓(かずら)という意味で名づけられたといわれています。雌雄異株なので、実を楽しむには雌木を植える必要があります。フェンスや垣根、パーゴラやトレリスなどに絡ませて、美しい実を楽しみます。
ヒノキ 一般には、材を生産する林木としての利用が多く、樹高30mくらいになる常緑針葉樹です。材は緻密で耐久性に優れ、特有の香りと光沢があることなどから、高級な材木として有名です。造園では枝葉が密につくことから、景観樹として公園や庭園などに利用します。
ヒマラヤザクラ ネパールから中国西南部などの標高1300~2200mの丘陵地に生えるサクラで、寒さに弱いので東京以西の暖地向きです。花は一重の中輪で、直径3cmほどで、晩秋に葉が散る前頃から咲き始める珍しいサクラで、やや華やかさに欠けますが人目を引きます。種子繁殖のため花の色には白から濃紅まで個体差があります。近年の研究結果で、二酸化炭素や二酸化窒素を減らす効果がソメイヨシノの5倍もあるとして、注目を集めています。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
ヒマラヤスギ 手を入れなくてもきれいに整った広円錐形の樹形になり、枝は水平か下垂するので、公園や緑地などの芝生広場のシンボルツリーなど広い空間での利用に向いていますが、萌芽・復元性があり、刈り込みもできるので、高生垣やいろいろな仕立物などにも利用できます。黄金色や銀青色と葉色の美しい品種もあり、記念樹としても利用できます。
ヒメシャガ アヤメの仲間で最も小型の種類の一つで、シャガの花に似た淡紫色の花をつけ、小形で可愛いことから姫の名前がつきました。冷涼な湿った傾斜地などの半日陰に自生することから、夏の高温乾燥する都会での利用は短命に終わることが多いので注意が必要です。ロックガーデンや庭園の滝口や流れ沿いの石組みの間、水際などでの利用に向いています。
ヒメシャラ 葉や枝ぶりなど樹姿全体に和の趣が感じられる木で、若葉のなかに咲かせる白い花も美しく秋には紅葉します。葉と花はナツツバキよりも少し小さめですが、樹高は高めに生長します。幹が赤褐色で、表皮が剥がれた跡がサルスベリの木のようなまだら模様になっています。木材としては床柱や彫刻に用いられ、花は茶花として重宝されています。