ハナミズキ 端正な樹形と花や実、紅葉が魅力です。4~5月ごろ葉に先立って4枚の白い総苞のついた花を咲かせ、秋には赤く熟した実と美しい紅葉を楽しむことができます。明治時代に東京市が贈った桜の返礼としてアメリカから贈られた樹です。
ハナモモ 果実を収穫するモモに対し、美しい花を楽しむ品種をハナモモと総称します。中国から渡来した樹木で、品種の多くは江戸時代に作出されたといわれています。春の華やかさを演出する花木としてよく用いられます。
ハマギク 青森県から茨城県那珂湊までの太平洋岸の海辺に生える野生のキクです。花径は6㎝のもなる白花の大輪で、野生菊としては最も大きいことで知られています。日本の特産種で学名は、『Nipponanthemum nipponicum』で、属名にも種小名にも『Nippon(日本)』がつくのは、鳥のトキと本種のみです。江戸時代初期の文献にも記載があり、古くから栽培されてきました。
ハマヒサカキ 関東以西の暖地の海岸の岩場などに自生する常緑樹です。葉は小さく、厚く光沢があり厳しい都市環境にも耐えることから、公園・緑地や庭園など広範囲に利用します。また、耐潮性が強く、臨海部の植栽にも利用できます。冬に開く花は都市ガスの臭いに例えられる特有の臭いを発するので、大面積での利用には注意が必要です。
バラ 非常に人気のある魅力的な樹木で、改良により多くの品種が作られています。花の美しさはもとより、花の大小、色や花型の多様さ、開花期の長さ、品種により強い芳香、実の美しさなど魅力いっぱいの花木です。樹の性質も木立性、半つる性、つる性などがあり、植える場所によって適切な品種を選ぶことが大切です。
ハラン 濃緑色の大きな葉が地際より叢生し、ボリュームの大きな植え込みとなります。日陰から半日陰の地被植物としての利用に向いていて、日向の乾燥地では葉色が黄色く変わり生育不良となります。葉の大きさや斑模様などの変化が多く、様々な品種が知られています。
ハリギリ 暖地から寒冷地まで山地の林内に生え、高さ10~20mほどになり、樹林の上部に枝を広げます。名前は枝に鋭い刺があり、葉が大きく掌状(手のひらの形)に5~9裂する姿をキリの葉に例えて『針桐』と名づけられました。材が桐材に似ていることから名づけられたとの説もあり、材として優秀で、家具や下駄などの器具材として利用します。センノキの別名でも知られています。
ハルニレ 春早く、葉が出る前に花開くことから『春楡(ハルニレ)』の名前があります。北海道や本州・四国・九州の山地など、冷涼な地域に多く見られる落葉広葉樹です。高さ20~30m、直径1mほどになり、横広がりの雄大な樹形となるので、広い公園の芝生広場などでの利用に向いています。材は家具や器具材として用います。
ハンノキ かつては、湿田の畔に植えて、刈り取った稲を干すための稲架木(はさぎ)に利用しました。水湿地を好むことから水辺や地下水位の高い場所の緑化に利用することが多く、最近は放棄水田に群生する姿を見ることがあります。花は早春に葉が芽吹く前に細長い雄花穂が垂れ下がって開花し、秋に熟す果穂はタンニンを多く含むので染料として用います。
ヒイラギ 雌雄異株の常緑広葉樹です。葉は光沢のある濃緑色で、先端がトゲ状になります。このトゲは老木になるとだんだんなくなってきます。秋に芳香のある白い花を咲かせます。古来より邪気を払う縁起木として知られ、『古事記』にも記されています。節分の日にはヒイラギの枝にイワシの頭をさしたものを飾ります。