ハクサンボク 伊豆半島以西の本州や九州などの暖かい沿海部に自生するやや大型の常緑低木です。大きめの光沢のある葉が年間を通して楽しめるほか、春の白い小花がたくさん集まった花穂や、秋に鮮赤色に熟す実とマッチして彩りを深めます。枝の分岐が多く葉も密につくので緑のボリュームが豊かで、庭園のアクセントとして効果的で、花壇の彩りとしてガーデニングや庭園や建物周りの外構植栽などにも用います。黄色の斑が美しい斑入品種もよく知られています。
ハクチョウゲ 名前は春から初夏にかけて丁字咲きの白い小花が株を被うように咲く姿から名づけられました。全体に小形で、花も葉も小さく、細い枝が地際から多数分岐して株立ち状となるので、庭園や建物周りなどの縁取りや低い生垣用の樹木として古くから利用されてきました。花の蜜が多いことから、開花期にはモンシロチョウなどが群れ飛ぶ姿を楽しむことができます。
ハクモクレン 紫色の花をつけるシモクレン(紫木蓮 モクレン)に対し、白い花をつけることからハクモクレン(白木蓮)の名前があります。葉に先立って白い大きな花を樹冠いっぱいにつけた姿が見所です。桜よりやや早く開花し良く目立ちますが、遅霜など寒さで花が傷みやすいので、寒冷地などでは植栽場所に注意が必要です。シモクレンなどとの間で品種改良がおこなわれ、ニシキモクレンなど多くの園芸品種が作られています。
ハコネウツギ 地際からよく分岐してたくさんの幹枝を叢生し、長く緩やかに垂れたボリュームのある枝枝に、咲き始めは白花で、続いてピンク色となり、最後は赤く変わる三つの色の花が入り混じって樹冠を被う姿が一番の見どころです。生長が早く、萌芽力があり、耐潮性が大きい性質などから、臨海部や荒れ地などの初期緑化や公園・緑地などに利用します。
バジル 葉を利用する代表的なハーブの一つです。イタリア料理には無くてはならないハーブで、トマト料理との相性は抜群です。品種による香りの変化が多く、アニスやシナモン、レモンなどの香りが楽しめるほか、濃い紫葉が特徴の品種は、オイルやビネガーなどに漬けると色が溶け出し、赤紫の調味料として利用できます。
ハゼノキ 実から和ろうそくの原料となる蝋(ロウ)を採取するために、古くから栽培してきました。九州などでは並木状に植栽され、古木となった趣のある姿を見ることも多くあります。また、秋の紅葉が見事なことでも知られ、カエデ類とは違った紅葉の名所として、美しい姿が親しまれています。
パッションフルーツ クダモノトケイソウの別名でもわかるように、果実をフルーツとして利用するつる性の常緑樹です。秋に熟す果実は、中に橙黄色でゼリー状の果肉で包まれた小さな種子がたくさんあり、果肉は多汁で酸味と芳香が特徴で、ジュースやアイスクリームなどに利用します。花はトケイソウの文字盤を思わせる変わった姿をしていて、観賞価値があります。
ハナイカダ 丘陵から山地にかけての雑木林のやや湿った林内などに多く見られる株立ち状の低木で、2mほどになります。花は春に咲き、葉の主脈の中ほどに淡緑色のあまり目立たない小さな花を1~数花つけます。葉に花がついたようすを筏に見立てて『花筏』の名前がつきました。雌雄異株で雌木には、夏に黒紫色の実が熟します。若い葉は食べられます。
ハナズオウ 春の盛りに、紅紫色のかわいい花を枝の所々に群生して咲かせる姿が一番の見どころです。葉に先立って花をつけるのでよく目立ちます。中国から300年以上前に渡来したといわれ、個人庭園をはじめ公園や緑地に植えられてよく親しまれてきました。近年は白花の品種やアメリカハナズオウの葉色の変わった品種なども見られます。
ハナノキ 紅・黄葉が一番の見どころのカエデの仲間にあって、春に開花する花は真っ赤な糸状で、枝先にたくさん吊り下げた姿が特に美しいことから、『花の木』と呼ばれる高木性のカエデです。長野県・岐阜県・愛知県の限られた地域に自生しています。なお、秋に真っ赤に紅葉にする葉も美しく、観賞価値も高いことで知られています。よく似た種類に北米原産のベニカエデ(別名アメリカハナノキ)があり、園芸品種も生産されていて、街路樹や公園・緑地などに利用されています。