ニセアカシア 北米原産の高さ15mほどになる落葉広葉樹です。明治の初期に河川や山地などの崩壊地の緑化樹として導入し、公園樹や街路樹としても利用してきました。現在は逸出して野生化した姿をよく見かけます。5~6月ごろにヤマフジの花に似た香りのよい白い花房を樹冠を被うようにつけます。養蜂用の蜜源植物として知られ、花はてんぷらや酢の物などにして食べます。
ニリンソウ 早春にほかの植物に先立って花をつけ、ほかの植物の葉が茂る6月ごろには枯れて地中で眠りにつく、スプリングエフェメラル(春の妖精)と呼ばれる植物の一つです。沢沿いの湿った落葉樹林の林床などによく見られ、普通、茎頂に2つの白い花をつけることから『二輪草』の名前で呼ばれます。
ニワトコ 低地から山地にかけての雑木林や竹藪などの林縁に普通に見られる落葉低木です。民間薬として骨折などの治療に使われることから『接骨木(セッコツボク)』の名前で知られています。花は早咲きで黄白色の小さな花が密についた花穂を、ほかの植物に先駆けて伸ばし花開きます。実は初夏に熟し、緑葉の中に赤い実の果穂がよく目立ちます。
ヌスビトハギ 花は小さくあまり目立ちませんが、名前のいわれのもととなった実(節果)の形が独特です。盗人が室内に侵入したときに、足音がたたないように足の裏の外側で忍び足で歩いた足跡の形に見立てたといわれています。実の表面にはかぎ状の毛が密生していて、これで動物の体や人の衣服などについて運ばれて、種子を散布します。
ネコヤナギ まだ寒さの残る2月半ばのころ、冬枯れの河川敷などでふわふわの暖かい外套をまとった蕾が赤い帽子を脱ぎ捨てた姿に、春がそこまでやってきていることを感じます。枝は地際から叢生し高さ2m程度の横広がりの樹形となり、河川の護岸の保護や水辺の生態系の保全用の植栽材料として良く利用します。
ネズミモチ 常緑で光沢のある厚くやや細長い葉が密につき、萌芽力があり、剪定にも耐え、遮蔽効果が高いので、高さの取れる生垣用樹としてよく用いられます。生垣として刈り込むと花はほとんど咲きませんが、放任するとたくさんの白い小さな花が穂状につき目立ちます。実は秋に黒紫色に熟し、ネズミの糞に似ていて、葉がモチノキの葉に似ていることから名前がつきました。野鳥の食餌木として知られています。
ネムノキ 夏の夕方に開くピンク色の花は、糸のような繊細な花糸が集まって開き、涼しげな雰囲気を醸し出します。根に根粒菌がついていて痩せ地でも生育するので、河川敷や野原など日当たりのよい場所での利用に向いています。夕方になると葉が閉じて、あたかも眠っているように見えることから名づけられました。
ノリウツギ 日本全国の山地に広く分布し、尾根筋やガレ場、伐採跡地などによく見られ、名前は枝の内皮の粘液を和紙を漉くときの糊料にすることから名づけられました。アジサイの仲間では珍しく幹立ちで、樹高は3~5mほどになります。花穂は円錐形(ピラミッド型)のガク咲きで、7~9月ごろに咲くやや遅咲きの種類で、耐寒性が強いことから欧米では寒冷地向けのアジサイとして人気が高く、多くの品種が作出されています。幹をステッキに、根をパイプ「さびた(ノリウツギの別名)のパイプ」に利用します。
ノリウツギ ‘ライムライト’ ノリウツギの園芸品種で、基本種の花穂は円錐形(ピラミッド型)ですが、本種は手毬咲きのため丸みのある円錐形で、半球形になる場合もあります。花は7~9月とやや遅咲きで、花弁のように見えるのは萼で、咲き始めは緑色で満開になると白くなり終わりかけは赤みを帯びてピンク色となり長く楽しめます。耐寒性が強いことから欧米では寒冷地向けのアジサイの品種として人気があります。
パイナップルミント パイナップルとリンゴを合わせたような甘く爽やかな香りが特徴です。ソースやビネガー、デザートやお菓子などの香りづけや葉の砂糖漬けなどに用いますが、葉の縁に淡黄色の斑が不規則に入り観賞価値が高く、地被植物としても使います。