ヤブツバキ 冬から春にかけて赤い花をたくさんつけ、輝きのある濃緑色の葉との対比が美しく、日本を代表する花木の一つです。多くの品種が作られていて海外でも高い人気があります。種子には良質の油が含まれていて、絞った椿油は料理や化粧品などに、材は工芸品や細工物、木炭などに使われます。
ヤブニッケイ シイやタブノキなどの常緑広葉樹林の構成種の一つです。クスノキの仲間で葉は光沢があり明るく丸みがありあす。クスノキのように公共緑化や庭園などに利用することはあまりありませんが、枝葉をはじめ樹皮や材にも独特なニッケイの香りがあり、種子から香油を、葉や樹皮は薬用に利用します。
ヤブラン 古くから庭園の下草や景石の根じめなどによく用いられてきた常緑の地被植物ですが、近年は公園や緑地などで大面積の利用も多くなっています。7月から10月にかけて花穂を抽出し、淡紫色の小花を密につけ、華やかさはありませんが野生らしい趣があります。
ヤマアジサイ 小形のガク咲きのアジサイで、野生種は山地の林床や谷間などの沢筋に多く見られることから、沢アジサイの別名があります。ガクアジサイに比べ花や樹形は全体に小形ですが、ガクアジサイには無い多様な花色や花型が見どころで、日本人好みの侘び寂びを感じさせます。近年は多様な品種が作出され、生産されていることから、庭植えばかりでなく鉢植えとしても人気があります。
ヤマウコギ(ウコギ) 丘陵から山地にかけての雑木林の林内や原野などに生え、葉は5枚の小葉がついた掌状(手のひらの形)の複葉で、枝には鋭い刺があります。雌雄異株で雌木には夏から秋にかけて黒紫色の実が熟します。飢饉のときの救荒植物の一つとして知られ、かつては若い葉をお浸しやウコギ飯にして食べました。
ヤマザクラ 春の山野を彩りる樹木の一つとして知られ、雑木植栽の彩りには欠かせません。花は白からピンクまで個体により濃淡が様々で、花と同時に開く新葉も、黄色味がかった緑から緑色、樺色、紅紫色まで変化があり、花と新葉の多様な組み合わせが日本の春の情景を演出します。
ヤマジノホトトギス 花弁の斑点が鳥のホトトギスの胸にある模様に似ていて、山野の落葉樹林などの林床や小径沿いなどによく見られることから名づけられました。花は夏から秋にかけて茎の先端やその下部の葉腋に上向きの花を1~2個つけ、雌しべと雄しべの突き出た花型はほかのホトトギス類と同じですが、花弁は平開する程度で、強く反り返ることはありません。花弁の斑点が少なく、栽培も比較的難しいので、あまり利用されません。
ヤマツツジ ヤマツツジは、北海道南部・本州・四国・九州に生育する落葉半低木です。日照の強い場所を好みます。高さは1~5mになり、若い枝には淡褐色の伏した剛毛が密生します。葉は互生し、葉柄は長さ1~3mmになる。春葉と夏葉の別があり、春葉は春に出て秋に落葉し、夏葉は夏から秋に出て一部は越冬します。
ヤマハギ 秋の七草のひとつで、万葉集にもハギの名前で多くの歌が詠まれています。日本全国の山野に比較的普通で、土手や河原、雑木林の林縁などで良く見られ、樹姿は立性で、枝はあまり垂れず、枝先に紅紫色の花を群生します。秋の彼岸に欠かせない一品のおはぎは、甘く煮た小豆の餡で丸めた餅などを包んだもので、色や形をハギの花になぞらえたものといわれています。
ヤマブキ 4月ごろ、細く長く伸びたしなやかな枝に、黄色く目立つ花を枝いっぱい咲かせます。「山吹色」という色名を生むほど、鮮やかな黄色花が印象深い落葉低木で、昔から庭に植えられ親しまれてきました。斜面や落葉樹の下草などに植え、刈り込まず自由に伸ばすと野趣のある花姿が楽しめます。八重咲きの品種や美しい斑の入る品種などもあります。