サクラ‘アーコレード’ イギリスで育成された品種で、オオヤマザクラとコヒガンザクラとの交配によって生まれました。イギリスでは春の一期咲きとされていますが、わが国では秋の9~11月にも咲く二期咲きとなっています。同じ開花特性を持つ十月桜に比べ、花は淡紅色で色が濃く、八重咲き大輪で花つきがよく、非常に美しいので、桜の花を長く楽しむためには打ってつけで、今後の利用が期待される品種の一つです。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)
サクラ‘御殿場桜’ 静岡県の御殿場市永塚や印野で稀に栽培されていることからこの名前がつきました。御殿場農園の渡辺健治氏が発見し、流通するようになりました。マメザクラとほかのサクラ(種類は不明)との間に生まれた交雑種で、花は一重咲きの大輪で蕾は色が濃く、開花すると淡紅色となります。マメザクラの特性を受け継ぎ、小形で花つきが良く、挿し木で容易に増やせるので、庭園や建物周りの外構、ガーデニングなどのほか、盆栽や鉢植えとしても利用します。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)
サクラ‘枝垂富士桜’ 一重や八重の花が混じって咲く枝垂性のサクラです。富士桜の名前がついていますが、富士桜(マメザクラの別名)の品種ではなく、エドヒガンまたはシダレザクラとマメザクラ系のサクラとの間に生まれた交雑種と推定されています。花は白花の中輪で枝は緩く垂れ、独特の樹形となります。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)
サクラ‘染井吉野’ サクラと言えば本種を指すように、北海道中部以北と沖縄を除く日本全国に広く植えられています。日本の春の景色を彩るサクラの代表です。エドヒガンとオオシマザクラとの間に生まれた種類です。葉の展開に先立って花開き、花つきが非常によいので華やかな風情が楽しめます。サクラの仲間では比較的寿命が短く、50年程度と言われています。
サクラ‘都錦’ 見る機会の少ないサクラの一つで、桜の図鑑などを開いてもほとんど掲載されていることはなく、珍しいサクラの一つといえます。かつて京都御所にあったといわれていますが、由来、来歴のよくわからないサクラで、大阪の造幣局の通り抜けに植栽されています。『このはなさくや図鑑』を見ると、サトザクラ系のようで花弁数は15~25枚程度で、八重咲きの大輪です。花の色は淡紅色ですが蕾は色が濃く、開花後も花弁の先にその色が残ります。 (参考資料:『このはなさくや図鑑~美しい日本の桜~第3集』-P90)
サクラバハンノキ 落葉高木で、葉は葉脈が目立ち、サクラの葉に似ていることから名前がつきました。水湿地を好むことから水辺や地下水位の高い場所にやや稀に生えます。花は葉が芽吹く前の早春に細長い雄花穂が垂れ下がって開花し、雌花は小さく目立ちませんが秋に小さな松かさのような果穂となって熟します。
サザンカ 秋に咲く花が美しく、古くから庭木や生垣として親しまれてきた日本人に馴染み深い花木です。園芸品種が豊富でその数は300にものぼります。一般にサザンカの名前で流通している種類には、サザンカ群以外にカンツバキ群やハルサザンカ群も含まれていて、タチカンツバキ‘勘次郎’がサザンカの名前でよく植えられています。
サツキツツジ 強健で花付きがよいことから最もよく使われる低木の一つです。地方によって独特の品種があります。開花は5~6月で花を満開に咲かせた姿ツツジはとても美しく印象深いです。灌木として大刈り込みや根締めなど和風・洋風どちらの庭にも使われます。
サトザクラ(ヤエザクラ) 山野に自生するサクラ(山桜)に対して、人里で栽培されている八重咲きのサクラ(里桜)の総称です。多くは花が八重咲きなのでヤエザクラ〈八重桜〉と呼ばれることもあります。主にオオシマザクラやヤマザクラ、オオヤマザクラなどの野生種を基に、野生種の変わりものの採取や種類間の交配による実生やその選抜などから作出した多くの品種があります。
サトザクラ ‘思川’ 栃木県小山市の修道院に植えられていたジュウガツザクラの実生から、日本の野生桜分類の第一人者として知られた久保田秀夫氏によって作出されたサクラで、修道院の下を流れる思川にちなんで名づけられました。花は淡紅紫色の半八重中輪で、直径3cm程度です。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)