アキグミ 春に花開き、秋に実が熟すことから秋グミと呼ばれます。丸い小さな赤い実が、枝を被いつくすようについた姿が一番の観賞ポイントです。実は渋味がありますが甘みもあって生食できることから、かつて子供たちは競って食べました。根に根粒菌がつくので痩せた荒れ地でも生育できるので、海岸や道路法面などの飛砂防止や土留めに利用します。
アキニレ ケヤキを小さくしたような端正な樹形で、小さいながらも広がりを感じさせる姿が魅力です。葉は小さく、明るい緑陰をつくるので、小公園の広場などでの利用に最適で、秋には黄・紅葉します。材が堅いことでも知られ、車輪や細工物などに利用します。名前は、春に花や実をつけるハルニレ(春楡)に対し、初秋の9月ごろに花をつけ10~11月ごろに実が熟すことから『秋のニレ』の意味です。
アキノキリンソウ 日本全国の山野に普通に見られる小型の多年草です。日当たりのよい草原や明るい落葉樹林の林床などに生え、名前に秋の名が冠されているように日本の秋を彩る代表的な草本です。帰化植物で花粉症の原因となることで嫌われている北アメリカ原産のセイタカアワダチソウと同じ仲間です。初夏に咲くベンケイソウ科のキリンソウの花に似ていて、秋に咲くことから名づけられました。
アケビ 日本の山野に多く自生している果樹です。果実は10〜15cmになり、秋になると縦に裂けます。この様子を「開け実」となったことが、アケビの名前の由来とされています。果実には昆虫や野鳥がやってくるので、果実が割れる頃、早めに収穫します。果実は生食のほか、果実酒などにも利用できます。春には淡い紫色の花を楽しめ、新芽は春の山菜として食すこともできます。
アサクラザンショウ 実を乾燥させてすりつぶし、ウナギのかば焼きに振りかける粉山椒の原料にすることで良く知られたサンショウの刺の無い品種です。兵庫県養父(やぶ)市八鹿(ようか)町朝倉で多く生産されることから名づけられました。個人庭園などに植えることが多く、若い葉は『木の芽』と呼ばれ、料理の飾りや薬味に、若い実は『実山椒』と呼ばれ、若い葉同様佃煮や粉山椒に、幹は『すりこ木』をつくる材料などに使われ、利用範囲の広い身近な樹木の一つです。
アジサイ ガクアジサイの両性花がすべて装飾花に変化した品種で、花穂は丸い半球形から球形で『テマリ咲き』と呼ばれる花型です。花弁のように見えるものは萼が変化したものです。花は白から淡い青、紫、赤紫、赤と多彩で、土壌Hpや開花初期から満開にかけて色が変化することから、七変化と呼ばれることもあります。
アジュガ (セイヨウキランソウ) 春の紫色の花と低く地面を被う姿がポイントです。花は4月~5月で直立した花茎の周りに小さな花をたくさん咲かせます。花が終わるころに地際から茎を伸ばして地面を被います。ヨーロッパから導入されたことからセイヨウジュウニヒトエやセイヨウキランソウなどと呼ばれることがあります。
アセビ 早春にスズランのような壺型のかわいい花を枝先に房状につけ、樹冠いっぱい吊り下げた姿はとても美しく昔から親しまれてきました。近年は海外から花や新葉が赤く美しい品種が導入されて、華やかな造園材料として注目されています。有毒植物として知られ、馬がこの葉を食べると酔ったようになることから『馬酔木』の漢字があてられています。
アップルミント パイナップルとリンゴを合わせたような甘く爽やかな香りが特徴で、ミントの仲間では最高の風味を持つといわれています。ソースやビネガー、デザートやお菓子などの香りづけに用いるほか、葉を砂糖漬けに利用します。
アブラギリ 古い時代に中国から渡来した落葉広葉樹で、桐に似ていて種子から油を搾って利用したことから名づけら、かつては広く栽培しました。搾った油は『桐油』と呼ばれ、乾性油として優れていたことから、古くは和傘や提灯に塗ったり、印刷用インキやペンキ、ニス、油紙などに利用しました。栽培は途絶えましたが、近年文化財修復用の材料として『桐油』が見直され、改めて国産化の流れが起きています。なお、油は有毒のため食用にはできません。