チャンチンモドキ センダン科のチャンチンに葉の形が似ていることから名前がついたといわれています。日本では福岡県、熊本県、鹿児島県に自生が確認されている落葉高木で、植物園などで植栽されている姿を見ることがあります。11月ごろに実が黄色から橙色に熟し、自生するネパールなどでは、漬物にして料理の付け合わせなどで食べており、酸味とほのかな甘みが特徴です。種子は非常に硬く、ボタンや根付などに加工して利用します。
チョコレートコスモス 花のチョコレートに似た香りと暗赤色のシックな色が魅力です。花弁はビロードのような光沢があり、夏の花壇を美しく飾ります。花型は名前のようにコスモスに似ていますが、花梗が長く独特な姿です。メキシコ原産ですが、現地では野生種は絶滅したといわれる貴重な品種です。種子をつけないことから、現在は挿し芽や株分けで増殖しています。
ツクバネガシ 葉が枝先に集まって輪状についた姿が、衝羽根(つくばね:羽根つきに使う羽根)に似ていることから名前がついたといわれています。暖地の山地の沢沿いの急斜面などに自生し、ドングリは翌年の秋に成熟します。屋敷林などで見ることはありますが、公園や緑地など造園的に使うことはあまりありません。材は堅く木目が美しいので、床柱や器具材、また、シイタケのほだ木などに使います。
ツノハシバミ 雌花の小苞が筒状に伸びて堅果を包み込み、くちばしのように細くなって『角(つの)』を思わせる形となることから名前がつきました。ヘーゼルナッツの仲間で、実(堅果)は、1~1.5cmほどで、炒って食べられます。名前のもととなった実を除くと魅力の少ない樹木で、造園的にはほとんど利用しません。
ツバキ 日本のヤブツバキなどをもとに作られた品種群で、光沢のある葉と豊富な花色や花型とのコントラストが魅力です。花の少ない冬に花を咲かせるため、古くから愛でられてきました。近年は日本ばかりでなく海外でも改良が進み、洋種ツバキとして流通しています。
ツブラジイ スダジイが、関東以西の臨海部に多く生育するのに対し、どちらかというと内陸部の山地などに生えます。一般的にスダジイのように公共緑化や庭園などに利用することは少なく、建築材や器具材、薪炭材、シイタケのほだ木などに利用します。秋に熟すドングリは小さくて丸いので、『円らな椎』という意味で名づけられました。
ツリバナ 丘陵から山地にかけての雑木林の林縁や林内などに多く見られる落葉樹で、3~4mほどになります。一番の魅力は長く垂れた果柄の先につく実で、秋に真っ赤に熟し、5つに割れて、中から橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。初夏に開く赤みを帯びた緑白色の花も趣があります。
ツルアジサイ 日本全国の山地など、涼しくて空中湿度の高い谷間の沢筋などに多く見られ、長く伸びる蔓の着生根で樹木や岩などに這い上がり、そこから短い枝(短枝)を空中に伸ばし、周囲に白い装飾花が内側に両性花がつくガクアジサイ型の花をつけます。名前はアジサイの仲間で、蔓性の落葉樹木ということから名づけられたものです。同じアジサイ科のイワガラミに比べ乾燥に弱いので、厳しい都市環境での植栽は避けるようにします。
ツルマサキ ‘エメラルド ガエティ’ 白い外斑が美しいツルマサキの品種で、爽やかな雰囲気が楽しめます。‘エメラルドゥン ゴールド’同様つるはあまり伸びないので平地向きの地被植物として利用します。冬になると寒さで白斑が赤紫色を帯び独特な色になります。ツルマサキがアメリカで改良されて逆輸入された園芸品種なので、アメリカツルマサキと呼ぶことがありますが、植物的には日本のツルマサキそのものなのでアメリカツルマサキの名称は誤用です。
ツワブキ 輝きのある大きな丸い葉と、晩秋の鮮黄色の花が魅力の常緑の多年草です。日向でも日陰でもよく育ち、冬でも緑の葉が枯れずに茂っているので、古くから庭園の下草や岩組みの根締めなどによく用いられ、花壇で楽しむこともできます。葉に斑の入った品種や形の変化した品種などが知られており、ガーデニングでの利用も増えています。