シラカシ 関東地方の屋敷林の主要構成樹種の一つとして知られ、細めの葉が密につくことから、防風、防塵、防火の役割を果しつつ敷地内の乾燥も防ぐので、古くから使われてきました。常緑の葉は細長く低い鋸歯がまばらにあります。名前は材が白い事に由来しますが、樹皮が黒いことからクロカシとも言われます。ドングリ(堅果)は1.5~1.8cmほどの卵形で、その年の秋に成熟します。
シラユキゲシ ケシの花に似ていて、雪のように白い純白の花の姿から名づけられました。中国東部原産の落葉性の多年草で、春に花をつけ、花の中央につく黄色い雄花がアクセントとなって美しく、鉢植えや庭園などに利用し人気があります。
シラン 名前は赤紫の花をつけることから、『紫色の花のラン』の意味で名づけられました。一般には栽培株が流通していますが、野生種は環境省RDBでは準絶滅危惧種に指定されています。ランの仲間は栽培が難しいことで知られていますが、本種は丈夫で、一度植えるとよく増え管理に手間がかからず、グラウンドカバーとして優れ、花つきがよく美しいので、育てやすい草花といった雰囲気が魅力です。
シリブカガシ マテバシイの仲間で、9月ごろ葉腋から伸びた果序に、マテバシイに比べて小さめの砲弾型のドングリが並んでつき、同時期に花が開花するという変わった性質が特徴です。名前はドングリの底がへこんでいることから『尻深ガシ』という意味で名づけられました。マテバシイのように公共緑化や庭園などに利用されることはほとんど無く、建築材、器具材、薪炭材などに使われます。
シルバータイム コモンタイムとブロードリーフタイムとの種間雑種のレモンタイムの品種です。レモンの香りに似た爽やかな香りが魅力で、葉縁に銀灰色の覆輪斑が入るので、全体的に銀灰色掛かって見え、彩りのハーブとして花壇の縁取りなどの利用も効果的です。株全体に芳香があり、スープやシチューなどの料理のほか、ハーブティーなどにも利用します。
シロヤマブキ 姿がヤマブキに似ていて花が白いことから名づけられました。5月ごろに白い清楚な花を咲かせます。ヤマブキは花弁が5枚ですが本種は4枚、枝は湾曲せずに、直立して生育します。実は秋に黒く熟し、ひとつの花に四つの実が集まって結実するのが特徴です。育てやすくガーデニングなどの庭植えに適した樹種です。
シンジュ 長さ1mほどの大きな奇数羽状複葉が枝先に集まってついた、緑のボリュームの大きな落葉高木です。中国原産で、わが国には明治の初期のころに導入されました。生長すると枝が横に広がる傾向があり、樹高も高くなるので、広い公園や街路などに用います。生長が早く種子が多く実ることから、最近は逸出して野生化している姿を見かけます。別名のシンジュは『神樹』で、英名の『tree of heaven』からきています。
ジンチョウゲ まだ寒さの残る2月半ばのころ、どこからともなく漂ってくる甘い香りに、春がそこまでやってきていることを感じさせる花の香りが一番の魅力です。外側が紅紫色で内側は白色の小さな花が枝先に集まってつき、強い香りを漂わせることから、沈香と丁字に例えて名づけられました。白花や外斑の葉の品種もあります。
ヒノキ ‘スイリュウヒバ’ ヒノキの枝葉が下垂する園芸品種で、放任しても枝垂性の樹木特有の縦長の独特な樹形が楽しめます。樹形が似ていることからサワラのヒヨクヒバと区別せず『イトヒバ』と呼ぶことがありますが、生長が遅く、生産はほとんどないので、単に『イトヒバ』と呼んだ場合はサワラのヒヨクヒバのことを指すことが多いので、利用する場合は注意が必要です。庭園などの狭い空間で利用します。
スギ 幹がまっすぐに伸び、狭円錐形の樹形となります。一般的には、3本から数本程度の寄せ植えとすることが多く、美しい樹形が楽しめます。枝葉が密生して、萌芽・復元性があるので、刈り込んで生垣や高生垣などでの利用も可能です。表スギや裏スギなど地域特有の系統があるので、植栽地の地域性にあった種類の選定や管理が求められるので、取り扱いに注意します。造園的には裏スギの利用が一般的です。