「」から始まる植物

サトザクラ ‘御車返し’
サトザクラ(栽培されている重弁のサクラの総称)の品種の一つで、一重の花と半八重(花弁が6~7枚)の花が混じって咲くことから、この桜のそばを通り過ぎた人たちが、一重か八重かで言い争いになり、乗っていた車を引き返させて確かめたという言い伝えにより、名前がついたといわれています。花は淡紅紫色の大輪で、直径は5cmほどで、品のある美しい花です。古い品種が多く植えられていたことで有名な荒川堤に植えられていたことでも知られています。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
サトザクラ ‘楊貴妃’
サトザクラ(栽培されている重弁のサクラの総称)の品種の一つで、名前は美しい花姿を絶世の美女といわれた楊貴妃に例えて名づけられたものです。花は淡紅色の八重咲き大輪で、直径は4~4.5cmほどです。満開の花に覆われた姿は楊貴妃の名前に負けず、豪華で美しさが際立っています。古い品種が多く植えられていたことで有名な荒川堤に植えられていたことでも知られ、昔、奈良で名木といわれていました。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
サトザクラ‘仙台枝垂’
一般に『仙台枝垂』といった場合、仙台市に多く植えられていることで知られた、紅色で八重咲き花が美しい『八重紅枝垂』を指す場合がほとんどですが、本種はそれと異なり、あまり大きくならず、白花の一重の中輪で、枝は太く、最初はゆるく垂れその後は垂直に近い角度で枝垂れる独特の樹形に趣があります。ヤマザクラの枝垂性品種といわれていますが詳細は不明で、古くからある品種ですが植栽されることは少なく、目にすることの少ない珍しいサクラの一つです。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)
サトザクラ ‘御衣黄’
サトザクラ(栽培されている重弁のサクラの総称)の品種の一つで、花色が緑色の特異な品種です。花は全体がごく淡い緑色で、部分的に濃い緑の筋が不規則に入り、咲き進むと花の中心に赤みが差します。八重咲きですが花弁数は少なく13枚程度で、栽培される地域によって花の大きさが異なり、直径2~2.5㎝、3㎝、4~4.5㎝と違いがあります。古い品種が多く植えられていたことで有名な荒川堤に植えられていたことでも知られています。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)
サルココッカ類
半日陰から明るい日陰のグラウンドカバーとして人気のある常緑低木で2~3種知られています。花は白い小花で早春に咲き、あまり目立ちませんが、香りが高く魅力的です。実は開花期の頃に熟し、confusa種は黒紫色に、ruscifolia種は赤く熟します。地際より多くの幹枝を伸ばし、こんもりと茂るので、花壇などの縁取りや低木の前づけ、景石の根締めなどに利用すると効果的です。
サルスベリ
一番の見どころは初夏から100日にも及ぶ花期の長さで、華やかな淡紅色~紅紫色の花が長く楽しめます。中国南部より江戸時代以前に渡来したと言われ、古くから庭木として植えられてきましたが、最近は街路樹などにも用いられ、園芸品種も多く、利用範囲が広がっています。滑らかな樹皮からサルも滑り落ちると例えられたことから名づけられました。
サルトリイバラ
秋に細長いツルのあちこちに朱赤色のかわいい実がついた姿が一番の見どころですが、雌雄異株のため、実は雌株にのみつきます。名前の由来となったサルをも捕らえると例えられる鋭い刺があるので注意が必要です。薬用植物としても知られ、根茎を中国産の山帰来の代用として利用することから和山帰来と呼びます。西日本ではカシワの樹が少ないことから、柏餅を包むカシワの葉の代用として、本種の葉を利用します。
サルナシ
東アジアに広く分布する落葉性つる植物です。岩石や他の樹木につるが絡みつき、長さは30mにもなります。雌雄異株で、5~7月に花が咲きます。8~10月につく実は長楕円形の液果で、長さ約2.5cm、緑黄色に熟します。名前の由来は、ナシに似た実をサルが好んで食べたことと言われますが、クマなどにとっても貴重な食料です。この果実は人間も生食したり、果実酒にしたりします。アイヌには、サルナシのつるで神の姿を編むと、死にかけている人の魂を呼び戻せるという伝説があります。つるは上部で腐りにくく、吊橋の材料や筏を組むのに用いられました。