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「」から始まる植物

サクラ ‘大漁桜’

熱海市の市営農場で角田春彦氏が早咲き性のオオシマザクラの実生から選抜した栽培品種で、もう一方の親はカンザクラと推定されています。早咲きのサクラで、熱海市では2月中旬ごろから開花します。花は淡紅色の一重咲きの中輪で、すべての花に旗弁が生じる特徴があります。熱海市の網代漁業組合の網干場に原木があり、花の色が鯛の色に似ていることから名づけられました。樹形は傘状です。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)

サクラ ‘八重紅枝垂’

エドヒガンの栽培品種で、細い枝が緩く垂れてその後垂直に枝垂れる樹種特性以外は、エドヒガンと何ら変わりません。やや色の薄い淡紅色一重咲きのイトザクラや、色が濃い紅紫色一重咲きのベニシダレに比べると、八重咲きの花はボリュームがあり、樹形の美しさと相まって、独特の雰囲気を醸し出し、華やかで観賞価値が高い特徴があります。単独でも群植しても美しく、利用価値の高いサクラです。花は淡紅紫色小輪の八重咲きで直径は2.5cmほどです。個体によって花の形や色、大きさに違いがあり、イトザクラやベニシダレなどもよく植えられています。

サクラ ‘横浜緋桜’

横浜市の白井勲氏がケンロクエンクマガイとカンヒザクラとの組み合わせで交配を行い、その実生から選抜されたもので、横浜市で作出されたことから地名を冠し名づけられました。ソメイヨシノよりやや早く咲きます。薄いピンクの花が多いサクラの中にあって、濃い紅紫色の花はよく目立ち、華やかでとても魅力的です。花は一重咲きの中輪で、直径は3cm程度です。時に旗弁が混じる特徴があります。樹形は広卵型でやや横広がりで、美しい樹形です。 (参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)

サクラ‘雨情枝垂’

エドヒガンの枝垂性の栽培品種の一つで、童謡の作詞家として知られた野口雨情の邸宅に植えられていたことから名づけられました。花は八重咲きで直径は3cmほどで、この仲間では一番大きく、平に開き、雌しべがつき出した独特な花型が特徴です。色は淡紅紫色で蕾は色濃く、開花すると外側が濃く、内側はごく薄い花は気品があってとても美しく、華やかで観賞価値が高いサクラです。亜高木に位置づけられることもあり、やや小型のサクラなので、身近に植えて華やかな春を楽しみたい種類です。(参考資料:新日本の桜 山と渓谷社)

サクラ‘アーコレード’

イギリスで育成された品種で、オオヤマザクラとコヒガンザクラとの交配によって生まれました。イギリスでは春の一期咲きとされていますが、わが国では秋の9~11月にも咲く二期咲きとなっています。同じ開花特性を持つ十月桜に比べ、花は淡紅色で色が濃く、八重咲き大輪で花つきがよく、非常に美しいので、桜の花を長く楽しむためには打ってつけで、今後の利用が期待される品種の一つです。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)

サクラ‘御殿場桜’

静岡県の御殿場市永塚や印野で稀に栽培されていることからこの名前がつきました。御殿場農園の渡辺健治氏が発見し、流通するようになりました。マメザクラとほかのサクラ(種類は不明)との間に生まれた交雑種で、花は一重咲きの大輪で蕾は色が濃く、開花すると淡紅色となります。マメザクラの特性を受け継ぎ、小形で花つきが良く、挿し木で容易に増やせるので、庭園や建物周りの外構、ガーデニングなどのほか、盆栽や鉢植えとしても利用します。 (参考資料:『桜図鑑』公財日本花の会)