キンカン 冬に熟す丸いかわいい果実は酸味が強いですが、柑橘類の中では栄養価が最も高いといわれ、生食のほか甘露煮、砂糖漬け、マーマレードなどに加工されて広く利用されています。花は香りがよく、7月ごろから3回ほど開花しますが、2回目以降の花の実は、大きくならないので摘果し、最初の実を育てるようにします。
キンシバイ 晩春に黄色いかわいい花をたくさんつける花木として知られ、公園・緑地をはじめ、一般家庭の庭などでもよく植えられます。カップ状の5弁花はやや小さめですが枝先につき、ゆるく垂れた姿は観賞価値が高く、滝や流れの護岸、法面や傾斜地など地盤差のある場所での利用に向いています。あまり大きくならないので管理も比較的楽です。
ギンバイカ 6月ごろに長い雄しべが目立つ、繊細で可愛い白い花をたくさん咲かせます。花期は短いですが、純白の小花に覆われた姿は見事です。葉は明るい照葉で香りがあり、ハーブとしても利用されます。ヨーロッパではこの木の花を祝事に飾ります。斑入り種や枝葉の細かい園芸品種などがあり、観賞価値も高いので、個人庭やガーデニングによく使われます。原産地は地中海沿岸です。
キンモクセイ 秋の訪れを知らせてくれる代表的な花木の一つで、強く甘い香りが一番の特徴です。9月中旬ごろから10月に開花し、2~3回に分けて花をつけますが見かけ上、通して咲いているように見えます。花はオレンジ色で、一つの蕾から5~10花ほどの小花をつけます。江戸時代に中国より渡来し雄木のみ知られています。庭園や公園などの生垣や目隠しなどに利用します。
ギンモクセイ 中国原産でキンモクセイの母種といわれ、一般には見かけることの少ない種類です。開花期はほとんど同じで、花の無い時期はほとんど見分けはつきませんが、名前の由来となった白黄色の花をつけることから判別できます。花の香りはやや弱く、花つきもまばらです。雌雄異株ですが雌木も知られており、実は翌年の春に黒褐色に熟します。
クサギ 海辺の平地から丘陵にかけての河岸の藪や、雑木林などの日当たりのよい林縁などに多く見られる落葉低木で、葉に独特な臭気があることから『臭木(クサギ)』と呼ばれます。ただし、夏に咲く花は、名前に反して強い芳香があり、アゲハチョウなどの大形の蝶類がひっきりなしに吸蜜に訪れます。秋には藍色の丸い実が熟し、赤い萼片とのコントラストが美しく、霜の降りる頃まで枝先に長く残ります。
クスノキ 新葉の色が個体によって異なり、黄色から赤まで変化があり、常緑樹の中では明るくさわやかな緑陰が魅力です。新葉がでる頃に前年の葉を一斉に落とし、緑の景観の模様替えを一気に進めます。生長が速く大きく生長し、神社などでは巨樹が見られます。
クチナシ 梅雨時に甘くさわやかな芳香を漂わせる香り高い花が魅力です。半日陰でもよく花をつけます。冬の寒さで枝先が傷むと蕾が枯れて花が楽しめないので、乾寒風の直接当たらない場所を選んで植えるようにします。実は、薬や染料に使います
クヌギ 武蔵野の雑木林の主要構成樹種の一つとしてよく知られ、通直な樹形が魅力で、樹液にカブトムシやクワガタムシがやってきます。移植はやや難しいので、コンテナ栽培品を用いるとよく生育します。葉は細長く波状の鋸歯があり、落葉性ですが冬の間は落葉せず、春の萌芽時に落葉します。材はシイタケのほだ木や薪炭材としてよく利用します。ドングリ(堅果)は2cmほどの球形で、翌年の秋に成熟します。